- 仮想通貨の「調整」の概要知識
- 仮想通貨が値上がりする要因
- 調整に左右されず仮想通貨を購入するポイント
こんにちは!サイト管理人のクリプト博士(@crypto_doctor)です。
この記事では、仮想通貨の値動きを予想するために利用する「調整」について解説します。
相場の動きが短期的に上昇・下降することを指します。
少し難しい内容ではありますが、仮想通貨投資で利益を上げ続けるために必要な知識となるので、ぜひこの機会に押さえておきましょう。
また、仮想通貨投資以外でも役立つ知識なので投資で稼ぎたい方におすすめです。
クリプト博士
仮想通貨相場の頻出ワード「調整」とは?
調整というと、誰かが操っているように感じるかもしれませんが、投資家たちの集団心理によって発生するもので、だれか一個人が操作しているといったことではありません。
【具体例】
例えば、ある仮想通貨に関する良いニュースが流れたとします。すると、価格は急激に高騰したりしますが、ある程度時間が経つと投資家心理が落ち着くので、適正な価格を取り戻すために収束していきます。
このような値動きを「調整」といい、調整に入った仮想通貨はそれまでの値動きと反対方向に動く傾向にあります。
悪いニュースの場合も同じで、調整の値動きは比較的わかりやすいです。
調整は予測可能か?
先ほどもお話しした通り、調整とは「大きく変動した価格が適切な価格に収束していく動き」のことです。
調整が起こるために市場は安定しているともいえます。
調整が起こるタイミングというのは、ある仮想通貨が高騰した場合、適切な価格よりも高評価されすぎと投資家に判断された時点です。
その時点で投資家たちが利益確定(売却)に入ります。その結果、仮想通貨の需要が減って価格が下がります。そして、「そろそろ買ってもいいかな」と投資家が判断して動き出し、結果的にバランスが取れて価格が安定するのです。
調整のタイミングを見極めるには、市場を支配している投資家たちの心理を読まなければなりませんので、基本的に難しいです。
ただし、ある程度予想することはできます。
例えば、急に起きたトレンドはすぐに終わりやすく、調整も早いタイミングで起こるという相場のお約束があります。
ですから、大口投資家の仮想通貨購入が理由で上昇トレンドが発生した場合などは、比較的短期間で調整に入るだろうと予測できるんですね。
また、著名人や大企業による仮想通貨の購入宣言や前向きな発言も、強い上昇トレンドが発生する要員になります。
そのため、ある程度の時間が経ってから調整がくる傾向にあります。
短期間で調整が入った例としては、米電気自動車大手のテスラがビットコインに15億ドルを投資したことで、ビットコインの価格が史上最高値を更新したニュースが挙げられます。
この際、ビットコインは一時5万8000ドル台まで高騰しましたが、テスラCEOのイーロン・マスク氏によるTwitterでの発言をきっかけに、一時17%安の4万7873ドルに下げました。
要因は、イーロン・マスク氏のツイートだけなのですが、ビットコインの価格は大きく変動しました。
このように、影響力の強い著名人や大企業による発言は、それだけでも仮想通貨市場で強いトレンドを発生させることがあります。
このような強いトレンド自体の予測は難しいですが、逆に短期で終わるということを知っていれば、不要な波乗りをせずに済むともいえますね。
相場の調整は必ず起こる
あらかじめ相場の調整を予測することは難しいです。しかし、調整は必ず起こるということはこれまでの相場を振り返ると自明です。
繰り返しますが、急に上昇トレンドに移行した相場は、比較的短い時間で収束していく場合がほとんどです。
2017年に起きたモナコインの大暴騰でもそうでした。モナコインの場合も数日後に収束し、結果ピーク時の700円代から300円付近に、半値以下にまで下落し落ち着きました。
急なトレンドは急に終わり、「調整」も早く訪れると覚えておきましょう。
「全戻し」と「調整」の違い
市場の価格変動は、常に上昇と下落を繰り返し、そこにはある一定幅の反対方向の値動きが形成されています。
ゆるやかなトレンドが形成されている場合、上昇トレンドの中にも下落による押しが形成されます。逆に、下落トレンドの中にも上昇による戻りが形成されていきます。
このように、普段みられるようなゆるやかなトレンドの中でも調整は常に起こっています。
ちなみに、100%上がって100%下がるというのは、上昇(下落)トレンドとしての材料にはなりません。これは大口投資家による仕手操作チャートでよく見られますが、これは、全戻しといい、調整ではありません。
調整はあくまで、相場でいつも起こっている一定幅の反対方向の値動きのことです。
草コインでは調整が起きない場合もある。
調整はいつも起こっていると書きましたが、例外もあります。
仮想通貨相場は他の株などの市場よりも規模がまだ小さいので、大きな資本が流入した際にルールからはずれる可能性もあります。
上のような時価総額の高い通貨に関しては調整が起こると考えていてほぼ間違いないです。
ただし、草コインは知名度が低く、注目度も低いうえに、時価総額は大きくないので、大きな海外資本が流入した場合に調整が行らない場合もあります。
クリプト博士
仮想通貨(暗号資産)が値上がりする要因
仮想通貨は未来の通貨として期待されており、投資対象としても人気が出てきています。
これまでも短期間に価格が急変動するなど、株やFXよりも高い変動率を記録することも珍しくありませんでした。
先ほど急激な価格変動に関しては、正確に予測することは難しいと書きましたが、価格変動が起こる理由を知っていると、今後の予測には役立ちますので、調整の特徴と一緒に覚えておくといいでしょう。
一般的に、価格は需要と供給のバランスで決定されます。
需要というのは、それを欲しいと思う人がどれだけ多いかということで、供給というのは、通貨量など市場にある数をいいます。
供給よりも需要が大きくなっていると値上がりし、供給が需要を上回ると値下がりする傾向にあります。
ここでは、暗号資産が値上がりする要因として考えられる以下の事柄をご紹介します。
クリプト博士
需要が大きく伸びる可能性がある場合
仮想通貨が値上がりする一つの要因は、将来、需要が大きくなると予想される場合です。
例えば、仮想通貨の普及を期待させるニュースが流れると、今後買う人が増えると予想でき、結果値上がりすることがあります。
また、暗号資産で決済ができる飲食店や小売店が増えることも、仮想通貨の需要が増すことを意味しますので、価格が上昇する傾向にあります。
さらに、投資対象としてその仮想通貨に将来性を感じ、取引を始める人の数が増えると、暗号資産の需要が拡大して価格が上がるということもあります。
好材料で仮想通貨の知名度が上がった場合
仮想通貨の知名度が上がる場合も価格は値上がりします。
例えば、大企業が暗号資産の採用を決めたケースや、有名店舗で導入されたケースなど、身近なところで仮想通貨が知られるようになると、価格が上昇することがあります。
特に、大手企業との提携に関するニュースは価格上昇の要因になります。
例えば、リップル(XRP)が2018年1月に国際送金大手の米マネーグラム社との提携を発表したときには、価格が25%以上急騰しました。
もちろん、マイナス要因となるようなニュースでは、知名度が上がっても価格は上昇しません。悪いニュースの場合は、逆に価格が下落することもありますので、その点は注意が必要です。
大手取引所へ上場した場合
好材料の中でも、仮想通貨の取引所へ上場した場合は価格が上がることが多いですね。
国内外問わず、仮想通貨の取引所はたくさんありますが、利用者の多い取引所に上場するほど暗号資産は価格が上がりやすくなる傾向があります。
その理由は、利用者が多い取引所だと、上昇することで通貨の流動性が高くなり、取引されやすくなるためです。
また、上場した取引所が大手であればあるほど、その仮想通貨の知名度も高くなるため、価格は上昇する傾向にあります。
アップデートにより機能が向上した場合
仮想通貨がアップデートされるというのも好材料になる場合が多いです。
ビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨にはそれぞれ開発者がいます。
彼らは送金速度の向上やセキュリティ強化のために日々開発を進めていますが、アップデートは、その成功を意味します。
アップデートにより性能や利便性が上がった通貨は、それに伴い価格も上昇する傾向にあります。
アップデートにより価格が高騰した有名な例としては、イーサリアム(ETH)があります。
イーサリアムは「フロンティア」、「ホームステッド」、「メトロポリス」とアップデートをしましたが、リリース当初の「1ETH=約500円」から最高で「1ETH=16万円台」まで価格が上昇しました。
バーン(Burn)で供給量が減少する価値が上がった場合
バーンにより通貨の供給量が減少した場合も価格は上昇します。
英語で「焼却」を意味するバーンは、すでに発行し市場に流通している仮想通貨の枚数を減らすことを意味します。
通貨の供給量を減らすことで希少価値を上げ、価格を上昇させるのが目的です。
最近の例では、2019年11月にステラルーメン(XLM)が総供給量の約半分となる550億トークンをバーンしたことを発表し、それに伴い価格が約20%急騰しました。
このようにバーンが行われると、価格が高騰する傾向があります。
通貨危機による影響が出た場合
法定通貨の価値が下がった場合も仮想通貨の需要は増えます。
俗に「通貨危機」と呼ばれるものです。
経済情勢が不安定な新興国などで、自国の法定通貨の対外的な価値が急激に下がる現象のことをいいます。
通貨危機の状態にある国では、自国通貨のさらなる価値の減少を恐れ、所有する法定通貨を世界的に信用の高いドルや仮想通貨などと交換する国民が多くなります。
その結果、通貨危機の状態にある国で暗号資産の需要が急増し、暗号資産の価値が上昇するというケースもあります。
最近では、2019年11月に自国通貨ペソの急落が続くアルゼンチンの暗号資産取引所で、他国の取引所のビットコインより32%以上高い「1BTC=約1万2,300ドル」というプレミアム価格を記録しました。
ただし、通貨危機による価格上昇は当該国のみが対象となることが多く、他の国では価格変動の影響を受けないことがほとんどです。
オンチェーン指標のアウトフローが増えた場合
最後にあげられる要因はオンチェーン指標の変化によりトレーダー心理に影響が出た場合です。
ブロックチェーンネットワークの盛り上がりや仮想通貨(トークン)の取引の動向、といった情報を読み取ることができる指標です。
オンチェーン指標の一つにはアウトフローがありますが、アウトフローとは取引所から外部ウォレットへ流れる暗号資産の流出量を意味します。
アウトフローが多い(増加している)時は、ブロックチェーン上のトークンに関する取引所における売り傾向が弱くなることが多いです。
理由としては、この事象は実質的に、取引所におけるトークンの供給量が減少することを意味しているからです。
価格が上がるメカニズムとしては、バーン(Burn)の時に解説したプロセスと似ています。
例としては、2015年から2017年当たりまで顕著にアウトフローが優勢な状態が度々起こりましたが、その後価格は上昇に転じました。
仮想通貨の値動きの理由を理解して調整を深く知ろう
仮想通貨は価格変動が大きいことで有名ですが、その理由として以下のようなことが挙げられます。
クリプト博士
取引量が少なく、個人投資家の影響が大きい
仮想通貨の価格変動の激しさは取引量が少ないせいでもあります。
株式投資やFXに比べて、暗号資産市場に参入している人は少ないです。
そのため、一部の大口投資家が動くだけで、全体の価格に影響を及ぼすことがあります。
今後購入者が増えてくれば、全体的に価格は安定していくと考えられます。
1日あたりの値動きに制限がない
1日あたりの値動きに上限がないのも仮想通貨市場の特徴です。
株の場合は、ストップ安やストップ高といって、1日の値動きに上限が設定されています。この制限により、急激な価格変動を防いでいます。
しかし、仮想通貨は、1日あたりの値動きに上限がありません。
このため、上昇するときは、株などのほかの金融商品を超える価格変動を示すこともあります。
プロの投資家が少ない
プロの投資家が少ないのも仮想通貨市場の特徴です。
仮想通貨には、まだプロトレーダーなどがそう多くは参入していないといわれています。
そのため、株やFXなどに比べると、初心者でも勝ちやすいとも言えますが、そのいっぽうで、機関投資家などが参入すれば相場への影響は大きく、価格を吊り上げる可能性があります。
プロトレーダーの多くが過去の値動きから相場を分析して投資を行いますが、それが市場の急変を抑制する働きも担っています。
そのようなプロトレーダーが少ないということは、彼らによる抑制機能も働きにくいということです。
国による規制に価格が影響を受ける
仮想通貨市場は国による規制がまだまだ定まっているとは言えない状況で、規制が新たに設けられることもあり、それらに市場価格が左右されがちです。
仮想通貨はそれ自体がまだまだ発展途上であり、各国が規制や認可などで模索をしている状態です。
そのため、仮想通貨にとって悪い規制のニュースであれば価格は下落し、法整備などの良いニュースなら価格は上昇しやすくなります。
調整に翻弄されずに仮想通貨(暗号資産)を購入するコツ
初心者が理解しておくと、仮想通貨を購入する際に便利なポイントをご紹介します。
クリプト博士
長期保有する
長期保有する場合は、売買タイミングをそこまで意識しなくてよくなります。
もし、その仮想通貨の将来性を期待し、長い目で保有するつもりなら、そこまで売買タイミングを気にしなくてもいいでしょう。
仮に暗号資産が大幅な価格上昇をすれば、数年単位で保有することで、大きな利益を得ることができます。
下落した後に買う
とにかく下落するまで待って買うというのも賢明な方法でしょう。
初心者で買うタイミングが分からない場合は、しばらくチャートを観察しましょう。その中で、トレンドや過去との価格差がわかってきますので、全体的に見て、安くなっていると判断したタイミングで買う方法もありです。
一時的な下落局面などどうまく購入することができれば、長い目で見るとお得な値段で手に入れることができたといえます。
ただし、そのまま価格が下落していく場合もありますので、その点には注意しましょう。
オンチェーン指標で判断する
オンチェーン指標で価格動向を見るのもありです。
仮想通貨取引は元本が保証されたものではありません。これは投資全般にいえるリスクです。
ですから、短期的な目でみれば、下落局面が発生することは避けられないといってもいいでしょう。
ただし、仮想通貨にはそのような下落タイミングを図る特有の指標として、オンチェーンデータがあります。
オンチェーンデータを活用したオンチェーン指標を理解することで、ある程度の価格変動を想定することは可能です。
そのため、トレーダーの中には、オンチェーン指標を活用して投資決定を行っている人も一定程度存在しています。
オンチェーン指標とは、ブロックチェーンネットワークの盛り上がりや成長、利用トレンドがどのように推移しているのかといったネットワークの動向を読み取ることができる指標です。
まとめ
仮想通貨投資における「調整」について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
最後に、この記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 調整とは相場の動きが短期的に上昇or下降すること
- 調整は必ず起こる
- 調整に左右されないためには「長期保有」「下落後」「オンチェーン指標」が肝になる
クリプト博士