- 個人と法人の税金の違い
- 仮想通貨投資で法人口座を利用するメリット・デメリット
- 法人口座の開設方法
こんにちは。サイト管理人のクリプト博士(@crypto_doctor00)です。
仮想通貨投資では、一定額以上の利益が出ると納税義務が発生します。
利益額にもよりますが、個人口座だとかなりの税率がかかるため、法人口座での運用を考えている人もいるようです。
そこで今回は、法人口座における税金のアレコレをまとめて解説します。
クリプト博士
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仮想通貨取引の税金に関する情報は、仮想通貨取引にかかる税金の計算方法や確定申告手順を解説で詳しくまとめていますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
仮想通貨投資における個人と法人の税金の違い
仮想通貨取引である一定以上の額の利益は課税対象になります。
個人口座の場合、値上がり益やインカムゲインは「雑所得」となり、累進課税制度に則って課税されます。
一方、法人口座の場合は仮想通貨取引における利益は法人税の対象となります。
カレン
個人と法人の税金の違いを詳しく見ていきましょう!
クリプト博士
個人の場合、所得税は課税所得に応じて5~45%の税率で、これに住民税の10%を加えた15~55%が納税額となります。
一方、法人で取引をする場合の所得税の区分は法人税です。税率は約25%~37%となります。
税率の他にも異なる点がいくつかあるので比較表にしてまとめました。
法人 | 個人 | |
---|---|---|
税金 | ・法人税 ・消費税 ・法人住民税 ・法人事業税 |
・所得税 ・消費税 ・住民税 ・個人事業税 |
経費にできるモノ | 個人事業主が一般的に経費計上できるモノに加えて役員報酬・賞与・退職金なども可能 | 自宅を事務所にしている場合は家賃・通信費・水道光熱費…etc |
開業手続き | 税務署・地方自治体に届出書を提出 | 税務署に開業届を提出 |
社会的信用 | ◯ | △ |
個人口座で仮想通貨取引をするデメリット
仮想通貨を個人口座で所持することにはいくつかデメリットがあります。
以下をご覧ください。
クリプト博士
累進課税方式なので収益に応じて税率が上がる
繰り返しになりますが、個人で取引する場合、暗号資産の所得は雑所得に該当します。
雑所得は総合課税の対象になり、給与所得などの他の収入と合算した額に応じて税率が決まります。
日本の所得税は累進課税方式が採用されていますので、所得が増えるのに応じて税率もあがります。
クリプト博士
カレン
なお、同じ雑所得でもFXは他の所得とは別に税額を計算する申告分離課税となり、税率は所得の額に関わらず税率は「所得税15.315%+住民税5%の一律20.315%( ※所得税に復興特別税を含む)」です。
他の損失と損益通算ができない
暗号資産の利益は株式投資の損失などと損益通算ができません。
一定期間内の利益と損失を相殺することをです。
例えば、投資信託で利益が出ていて課税対象になっても、株式投資で大きく損失を出しているなら、投資信託の利益と相殺して税額を減らすことができます。
赤字の繰越ができない
他にも、暗号資産は赤字の繰り越しができません。
例えば、株式投資であれば赤字が出た場合、翌年以降の3年間に損失を繰越して翌年以降の利益と相殺できる仕組みがあります。
しかし、暗号資産の個人取引では今の所そのような税の調整ができません。
暗号資産の法人口座を利用するメリットとデメリット
続いては、法人口座のメリットとデメリットについて解説します。
まずはメリットから。
法人口座を利用するメリット
先程、仮想通貨の個人取引での赤字は繰り越しできないと解説しました。
しかし、法人の赤字の繰越については、平成30年4月1日以降に開始する事業年度については最大で10年間の欠損金の繰越することができるようになりました。
クリプト博士
【具体例】
例えば、2年目は黒字となったものの2年間のトータルで利益が出ていなければ、2年目も税金を払う必要がありません。
また、赤字が出た時には、前の期に支払った税金の還付を受けることができます。
これは「欠損金の繰戻しによる還付制度」と呼ばれる制度です。
そのため、一定の利益を得られるようになった場合には、法人での取引の方がトータルでかかる税率を低く抑えることができます。
法人口座を利用するデメリット
法人口座を利用するデメリットは、ある一定の資金が必要になるということです。
法人の設立には印紙代や登録免許税などの登記費用が20万円ほどかかります。
クリプト博士
また、法人は赤字でも住民税を支払う義務があるため、維持費が最低でも年間7万円ほどかかることもデメリットとなるでしょう。
個人の場合は、住民税は所得額に応じた金額を納めることになりますが、法人を設立するには以上の費用が掛かります。
そのため、所得税を低く抑えることができてもトータルで見たときに収益がどうなるのかをよく検討した方が良いでしょう。
仮想通貨の法人口座を開設する方法
ここからは仮想通貨取引で法人口座を開設する方法をご紹介します。
仮想通貨の法人口座を開設するステップは、以下の通りです。
- STEP1.必要書類などを集める
- STEP2.取引所の要綱を確認する
クリプト博士
STEP1.必要書類などを集める
仮想通貨取引所で法人口座の開設申請をする場合、以下の書類を事前に用意しておく必要があります。
別名「登記簿謄本」とも呼ばれ、会社の名称や事務所の所在地など、基本的な情報と規定といった登記記録の内容を記載した書類です。
口座を開設する法人の役員もしくは取締役の本人確認書類です。申請者の確認が取れないと法人口座の開設はできないことに注意しましょう。
仮想通貨取引所に入出金するための法人名義の銀行口座です。口座情報の名義が個人の場合開設できません。
STEP2.取引所の要綱を確認する
取引所によっては「履歴事項全部証明書」「責任者の本人確認書類」「法人名義の口座情報」以外にも、別途書類を求められることがあります。
こうした情報は、取引所ごとの要綱に記載されているので確認しましょう。
また、口座開設までに必要な日数や手続きも取引所ごとに異なります。
クリプト博士
仮想通貨の法人口座が開設可能なおすすめの取引所
続いては、仮想通貨の法人口座が開設できる国内の仮想通貨取引所をご紹介します。
今回ご紹介するのは以下の5社です。
- bitbank(ビットバンク)
- bitFlyer(ビットフライヤー)
- BITPOINT(ビットポイント)
- Coincheck(コインチェック)
- Liquid by FTX(リキッドバイエフティーエックス)
クリプト博士
bitbank(ビットバンク)
法人口座の申請方法 | オンライン |
---|---|
申請時の必要書類 | ・履歴事項全部証明 ・法人の印鑑証明書 ・委任状(代表者と担当者が異なる場合) ・取引担当者様の本人確認書類 |
bitbank(ビットバンク)では、オンラインページの口座開設フォームから簡単に法人口座の申請することができます。
提出書類は原本の写真をアップロードします。
bitFlyer(ビットフライヤー)
法人口座の申請方法 | オンライン |
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申請時の必要書類 | ・登記事項証明書 ・取引責任者の本人確認資料 ・法人名義での銀行口座情報 |
bitFlyer(ビットフライヤー)は主要メガバンクとも提携しているため、法人口座としても使い勝手がいいです。
登記事項証明書は発行日から6ヶ月以内で、登記官印が鮮明に写るように撮影しましょう。
BITPOINT(ビットポイント)
法人口座の申請方法 | オンライン |
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申請時の必要書類 | ・履歴事項全部証明書 ・日本国内の銀行の法人名義の口座 ・本人確認書類 |
BITPOINT(ビットポイント)は現物取引が無料です。
責任者は法人の代表権を持ち、日本に居住していて日本語が理解できることが条件となっています。
Coincheck(コインチェック)
法人口座の申請方法 | オンライン |
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申請時の必要書類 | ・履歴事項全部証明書の写し ・法人名義の銀行口座通帳 ・代表者の本人確認書類 ・代表者のIDセルフィー ・法人取引担当者届出書(取引担当者と代表者が異なる場合) |
Coincheck(コインチェック)は初心者でも使い勝手がよく、取扱銘柄数が多い取引所です。
基本的には画像のアップロードができますが、履歴事項全部証明書の写しはPDF化してまとめて提出することもできます。
Liquid by FTX(リキッドバイエフティーエックス)
法人口座の申請方法 | オンライン |
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申請時の必要書類 | ・履歴事項全部証明書 ・代表者の本人確認書類2種類 ・取引担当者の本人確認書類2種類(※) ・法人印鑑証明書(※) ・委任状(※) |
(※)取引担当者と代表者が異なる場合
Liquid by FTX(リキッドバイエフティーエックス)は取引高が国内最大級です。
書類の提出はPDF化したファイルをアップロードするという形式で提出します。
海外の取引所で法人口座の開設は可能
海外の仮想通貨取引所を利用する場合、その取引所がある国の住所で海外法人を立ち上げて、その住所をもとに法人口座を開設することになります。
取引所の所在国によっては、日本の取引所で法人口座を開設するよりも税金の負担を抑えることが可能です。
ただし、海外の法人での課税と本社がある日本での課税、どちらが優先されるべきかという問題はあります。
クリプト博士
まとめ
仮想通貨投資を法人で行うやり方やメリット・デメリットについて解説しましたが、いかがだったでしょうか?
税金面での優遇があるものの、法人設立のコストを考えるとどちらが良いとは一概には言えないという結論でした。
クリプト博士