クリプト博士
- ホワイトリストに登録される仮想通貨の特徴
- ホワイトリストに登録されているおすすめ通貨
- ホワイトリスト入りしない可能性大な通貨
仮想通貨の信頼性を測るうえで重要な「ホワイトリスト」をご存知でしょうか?
金融庁に登録を済ませた暗号資産取引所、またはそこで取り扱っている仮想通貨のことを指します。
仮想通貨は、コインの流出事件などがたまに取り沙汰されれているため、セキュリティ面で不安を感じる方も多いと思います。
そこで今回は、仮想通貨のホワイトリストについて詳しく解説します。
\セキュリティが強固な取引所が知りたい方へ/
当サイトでは、仮想通貨取引時のセキュリティを比較した記事もあるので、気になる方は参考にしてみてください。
仮想通貨のホワイトリストとは
冒頭でも説明したとおり、ホワイトリストとは、金融庁に登録を済ませた暗号資産取引所、またはそこで取り扱っている仮想通貨のことです。
ホワイトリストに入った仮想通貨は金融庁による一定の審査を受けていますので、比較的安全と信頼性が高いと言われています。
暗号資産取引所や仮想通貨が乱立されたことを受け、ホワイトリストは作成されました。
金融庁は暗号資産取引業を登録制とし、その際に取り扱い銘柄についても審査を実施しています。
ホワイトリストができた背景
金融庁に登録するということはどういうことを意味するのでしょうか。
日本では、2017年4月1日から「改正資金決済法」が施行されて以来、仮想通貨を取り扱うときには金融庁への届け出と登録が必要です。
改正資金決済法の成立以前は多数の暗号資産取引業者が乱立している状況で、情報が混乱・錯綜していました。
その状況を改善し安全な取引環境を確保するために、改正資金決済法が制定・施行され、金融庁による監督が強化されたのです。
クリプト博士
ホワイトリストの注意点
金融庁が審査していると聞くと絶対的に安全なのでは?なんて考えてしまいますが、ホワイトリストに掲載されているからといって、その仮想通貨が安全であるとは限りません。
ホワイトリストは取引の「利益」を保証するものではありません。
仮想通貨は価格変動が激しいので、購入・売却のタイミングによっては大きな損失を被る可能性はあります。
ですから、ホワイトリストに掲載されているか否かを利益が出るかどうかの判断条件とはしないほうがいいでしょう。
クリプト博士
登録業者とみなし登録業者
登録業者とみなし登録業者の話がホワイトリストと関連で出てきますが、現在みなし登録業者はすべて登録業者になり無くなりました。
マウントゴックスの仮想通貨不正流出事件を受けて、現在では仮想通貨交換業を行うことができるのは財務局や金融庁の登録を受けた交換業者のみに限られました。
しかし、法改正による経過措置によって、平成29年4月1日より前に、仮想通貨交換業を行っていた者は平成29年4月1日から起算して6ヵ月の間に登録の申請をした場合に限り、その期間を経過した後もその申請について登録または拒否の処分があるまでの間、仮想通貨交換業を行うことができたのです。
このような業者をみなし業者と呼んで、正式に登録されている業者と区別していました。
クリプト博士
ホワイトリストに載っている仮想通貨一覧
国内の仮想通貨取引所に関しては、現在すべて認可業者になっていますが、仮想通貨そのものについては認可されているものとされていないものがあります。
ホワイトリストに載っている仮想通貨には次のようなものがあります。
ホワイトリスト仮想通貨一覧 | ||
---|---|---|
ビットコイン(BTC) | イーサリアム(ETH) | ビットコインキャッシュ(BCH) |
ライトコイン(LTC) | イーサリアムクラシック(ETC) | リップル(XRP) |
モナコイン(MONA) | ネム(XEM) | カウンターパーティー(XCP) |
フィスココイン(FSCC) | カイカコイン(CICC) | ネクスコイン(NCXC) |
ペペキャッシュ(PEPECASH) | リスク(LSK) | ビットクリスタル(BCY) |
ストレージコインエックス(SJCX) | ゼン(ZEN) | キャッシュ(QASH) |
ザイフトークン(ZAIF) |
ホワイトリストに載る条件は、金融庁より認可を受けている取引所から上場していることです。
そのため、今後新たに取引所に仮想通貨が上場すれば、それはホワイトリスト入りした仮想通貨となります。
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ホワイトリストに登録される仮想通貨の特徴
ホワイトリストに登録されている仮想通貨にはどのような特徴があるのでしょうか。
ホワイトリストに入るためには、取り扱っている暗号資産取引所が金融庁の登録を済ませておかなければなりません。
取扱業者が金融庁に登録されるには、以下のようなプロセスを経ます。
- 役員ヒアリング
- 書面審査
- 訪問審査
役員ヒアリングでは「事業内容」「事業計画」「リスク管理」の考え方などが確認されます。
書面審査では、より具体的な管理方法やマネーロンダリング、テロリストへの資金供与、利用者を保護する規定などに関する検証が行われます。
最後の訪問審査では、提出された書面通りに運用されているかを確認します。
なお、暗号資産の適切性に関する金融庁の判断基準は以下の通りです。
- 暗号資産の仕組みや用途、流通状況
- テロ資金やマネーロンダリング等に利用されるリスク
- 暗号資産取り扱いによって生じるリスク
こうしたチェックをクリアした暗号資産だけが、ホワイトリストに登録されます。
ホワイトリストに登録されているおすすめの仮想通貨
ここでは、ホワイトリストに登録されている仮想通貨の中でも人気があり、おすすめのものをご紹介します。
ビットコイン(BTC)
通貨名 | ビットコイン |
---|---|
シンボル | BTC |
現在の価値 | 約293万円(2022年8月時点) |
時価総額 | 約56兆円(2022年8月時点) |
時価総額ランキング | 1位(2022年8月時点) |
購入可能な主な取引所 | Coincheck BITPoint GMOコイン |
仮想通貨の中で人気・知名度ともに抜群なのはやはりビットコインです。
ビットコインには次のような特徴があります。
- 唯一管理されていない仮想通貨
- 最も高い時価総額
- 多くの企業、著名投資家の参入
ビットコインに代わるアルトコインの開発がされてきましたが、まだまだ機能・価格ともにビットコインに代わるものは現れていません。
時価総額も圧倒的な額を誇っており、今後も不動の人気を維持する可能性は非常に高いです。
イーサリアム(ETH)
イーサリアム | ETH |
---|---|
通貨名 | イーサリアム |
シンボル | ETH |
現在の価値 | 約22万円(2022年8月時点) |
時価総額 | 約27兆円(2022年8月時点) |
時価総額ランキング | 2位(2022年8月時点) |
購入可能な主な取引所 | bitFlyer DMM Bitcoin Coincheck |
イーサリアムは、ロシア系カナダ人のヴィタリック・ブテリン氏によって2013年にリリースされたプラットフォームの名称です。
イーサリアムはビットコインには備わっていない機能を多く搭載しており、DeFi(分散型金融)分野でも広く利用されています。
2021年から急拡大を遂げているNFT(非代替性トークン)分野においても、ほぼすべての作品がイーサリアムのブロックチェーン上で流通しています。
イーサリアムのおすすめポイントをまとめると以下の通りです。
- スマートコントラクト機能
- NFT(非代替性トークン)への注目
- イーサリアム企業連合(EEA)
ブロックチェーン上で自動的に契約の実行が成される仕組みのことです。
実行された契約はP2Pのネットワーク上でブロックチェーンに記録されるため、契約の信憑性、透明性が確保されます。
この機能により、契約など手間の必要な作業を省くことができます。
また、NFT(非代替性トークン)への注目がイーサリアムの人気を支えています。
NFTは基本的にイーサリアムのブロックチェーンが利用されています。
カレン
NFTの市場は今後も成長が見込まれているので、それに連動してイーサリアムの価値も上昇するとされています。
また、イーサリアムにはイーサリアムを企業向けに活用されることを目的に設立された団体イーサリアム企業連合(EEA:Enterprise Ethereum Alliance)というものがあります。
EEAには、三菱東京UFJ銀行やKDDI、Microsoftなど有名企業を含む、多くの企業が参加しています。
イーサリアムは数々の企業がバックアップしているのです。
リップル(XRP)
XRP | リップル |
---|---|
通貨名 | リップル |
シンボル | XRP |
現在の価値 | 約46円(2022年8月時点) |
時価総額 | 約2兆3200万円(2022年8月時点) |
時価総額ランキング | 7位(2022年8月時点) |
購入可能な主な取引所 | GMOコイン BITPoint Coincheck |
リップルはリップル社が管理する中央集権型の仮想通貨です。
リップルは取引スピードが速くコストも低く抑えられるので、国際送金などに用いられています。
【具体例】
例えば、地球の反対外の南米のペルーから日本に送金したいとき、通常であればかなりの時間がかかります。
しかし、リップルを利用するとペルーの通貨ソルを仮想通貨が買えるドルなどと交換し、ドルでリップルを入手しリップルを日本に送ることで送金が完了します。
クリプト博士
リップルのおすすめポイントをまとめると次の通りです。
- 大手銀行が注目している送金速度
- 出資企業がビッグ
- IPO実施への大きな期待
リップルの送金手数料の安さと速度は各国の金融機関が注目しており、以下のような大手銀行と提携しています。
- カナダロイヤル銀行
- バンク・オブ・アメリカ
- SBIホールディングス…etc
IPOとは、「initial Public Offering」の略で、新規株式公開のことをいいます。
要するに、株を投資家に売り出して証券取引所に上場し、だれでも株取引ができるようにすることです。
ビットコインキャッシュ(BCH)
通貨名 | ビットコインキャッシュ |
---|---|
シンボル | BCH |
現在の価値 | 約18,200円(2022年8月時点) |
時価総額 | 約34億8730万円(2022年8月時点) |
時価総額ランキング | 29位(2022年8月時点) |
購入可能な主な取引所 | Coincheck DMM Bitcoin |
ビットコインキャッシュはビットコインからハードフォークして生まれた仮想通貨です。ビットコインと名前が似ていますが、性能や価格は全然違います。
ただ、ビットコインキャッシュはビットコインと価格が連動する傾向があります。
クリプト博士
また、ビットコインキャッシュは以下のようにビットコイン以上に期待できる点もあります。
- ビットコインを上回るブロックサイズ
- スマートコントラクトの実装
先ほどもお話しした通り、ビットコインキャッシュはビットコインからハードフォークした通貨として有名です。
その特徴は、ビットコインを大きく上回るブロックサイズにあります。
クリプト博士
また、ビットコインキャッシュはイーサリアム同様、契約の自動化を実現するスマートコントラクトが実装されています。
ビットコインキャッシュのスマートコントラクト機能は、自動車業界・不動産業界での実用化、そして保険業界での実用化への期待が高まっています。
ライトコイン(LTC)
通貨名 | ライトコイン |
---|---|
シンボル | LTC |
現在の価値 | 約7670円(2022年8月時点) |
時価総額 | 約5447億円(2022年8月時点) |
時価総額ランキング | 21位(2022年8月時点) |
購入可能な主な取引所 | bitFlyer GMOコイン Coincheck |
ライトコインは、ビットコインをベースに開発された仮想通貨ですが、ビットコインの抱えている処理速度の問題や手数料の高さが解消されています。
ビットコインは価値の保存手段として利用されますが、ライトコインは決済手段として利用されています。
そのため、ライトコインは取引を高速化するためのアップデートなど、決済をするうえで必要になる機能を積極的に取り入れています。
さらに、NFTの発行を可能にするために、最近ではライトコインのチェーン状に新たなプラットフォームを作り、スマートコントラクトの作成を可能にしたりしています。
ライトコインのおすすめポイントとしては次のようなことが挙げられます。
- オンライン決済サービス大手のPayPalが取り扱う
- segwitとライトニングネットワークの導入
クレジットカードや銀行口座で支払いと受け取りが簡単にできるオンライン決済サービスのことです。
200以上の国と地域で100通貨以上の決済を可能にしています。
このような企業がライトコインを取り扱うことにより、知名度や実用性は今後も上昇していくと考えられます。
また、segwitやライトニングネットワークの導入により、決済手段とする企業が増えてきているので、その点でも価値が上がる可能性は高いです。
エンジンコイン(ENJ)
通貨名 | エンジンコイン |
---|---|
シンボル | ENJ |
現在の価値 | 約76円(2022年8月時点) |
時価総額 | 約686億円(2022年8月時点) |
時価総額ランキング | 77位(2022年8月時点) |
購入可能な主な取引所 | Coincheck GMOコイン |
エンジンコインは、2009年にシンガポールで創業された「Enjin」が運営するNFTプラットフォーム「Enjin Platform」上で使用される仮想通貨です。
近年のNFTブームの波に乗って、時価総額が65位まで急激に成長したという実績があります。
また、国内の仮想通貨取引所として有名なコインチェックとGMOコインに上場されたことで価格を大きく伸ばしました。
エンジンコインには次のような特徴があります。
- オンラインゲーム環境で使用できる
- NFTの作成が可能
エンジンプラットフォームはオンラインゲームで有名です。現在、合計2,000万人以上のユーザーが利用しています。
ゲームで得たアイテムはNFT化されていて換金できるため、ユーザーはゲームで遊びながらお金を稼ぐことができます。
ホワイトリスト入りした時の影響
おすすめのホワイトリストに登録されている仮想通貨をご紹介しましたが、今後もホワイトリスト入りする仮想通貨は出てくると思います。
仮想通貨がホワイトリストに入るということは、「国内取引所に上場させても問題ない仮想通貨だ」と金融庁が認めたことを意味します。
そのため、今はまだ特定の取引所しか扱っていない仮想通貨が一旦ホワイトリスト入りされれば、今後は他の仮想通貨取引所も取扱うようになる可能性は高いです。
そうすれば、わざわざ海外の取引所を使用せずとも国内の取引所で売買できるようになります。
このように、ホワイトリストに載るということは、国内取引所に上場できることを意味します。
したがって、仮想通貨が金融庁のホワイトリストに載るということは、日本の巨額なマネーがその仮想通貨に流入することを意味します。
クリプト博士
実際、ホワイトリスト入りした仮想通貨が日本の取引所に上昇し、短期間で価格が大きく高騰したケースはあります。
日本は世界でもトップクラスの先進国です。それに加え、仮想通貨にも積極的な国です。日本のホワイトリストに入るということは、それだけで世界から注目されるということです。
そうなれば、価格が高騰するのは時間の問題ともいえます。
ですから、ホワイトリストは仮想通貨の価格の変動に大きな影響を与えると考えて良いでしょう。
ホワイトリスト入りしない可能性が高い仮想通貨
価格や価値に大きな影響を与えると聞くと、どの仮想通貨もホワイトリスト入りを目指していて、審査をパスすればどの仮想通貨もホワイトリスト入りできるのでは?と考える方も多いでしょう。
また、それ狙いで購入する人もいるでしょう。
しかし、今後もホワイト入りする可能性が極めて低い仮想通貨はあります。
それは「匿名性仮想通貨」です。
プライバシー保護に力を入れている仮想通貨のことです。
具体的には、以下のような仮想通貨は世間では匿名性仮想通貨と呼ばれています。
- モネロ(XMR)
- ダッシュ(DASH)
- ジーキャッシュ(ZEC)
これらの仮想通貨を使用して取引をすると、送金者や受金者などの個人情報が外部に知られる心配はありません。
ビットコインなどの仮想通貨取引は、一見すると誰にも知られずに送金できるプライバシーが守られやすい取引のように感じられますが、実際は違います。
というのも、仮想通貨の取引は個人レベルの些細なモノですら全て記録され公開されているからです。
一方、匿名性仮想通貨を使った取引は、第三者に取引情報を教えることなく送金が可能なため、マネーロンダリングなどの犯罪に用いられるリスクが非常に高いです。
クリプト博士
匿名性仮想通貨を日本の取引所が上場させると、犯罪組織やテロリストなどの資金源になる恐れがあります。
犯罪に使用される危険がある以上、金融庁が匿名性仮想通貨をホワイトリストに入れる可能性は低いと考えられます。
まとめ
仮想通貨のホワイトリストについて解説しましたが、いかがだったでしょうか?
ホワイトリストに登録されている通貨は信頼性が高く、今後価格が上昇する可能性が考えられます。
中でも、先程ご紹介した6つの通貨は需要が高まることが予想されるのでおすすめです。
クリプト博士