- ICOの仕組み
- ICOの問題点
- IEOについて
こんにちは。サイト管理人のクリプト博士(@crypto_doctor00)です。
最近、仮想通貨市場では「ICO」が注目されています。
仮想通貨(暗号資産)の新規発行による資金調達方法の一つです。イニシャル・コイン・オファリング(英: Initial Coin offering )を略してICOと呼ばれています。
この記事では、そんなICO(Initial Coin offering)について詳しく解説します。
クリプト博士
ICOとは
冒頭でも説明したとおり、ICOは仮想通貨(暗号資産)の新規発行による資金調達方法の一つです
ICOについてさらに具体的に解説すると以下のとおりです。
あるプロジェクトが仮想通貨の開発目的や方針をインターネット上で公開し、それに賛同する投資家が新たに発行された仮想通貨をビットコインなど既存の仮想通貨で購入し、その資金で発行元は仮想通貨の開発を行います。投資家はプロジェクトが提供するサービスを利用したり、出資した仮想通貨の価格上昇により自己資産を増やすこともできます。
ICOはインターネットを通して世界中から直接的に資金を調達することで、仮想通貨を開発することができるのです。
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さらに、投資家から直接資金を調達するので、特定の個人や企業、国家に影響されずに運営方針を立てることができます。
この仕組みは仮想通貨の非中央集権的な性質を保つ上で有用ですが、従来の資金調達方法と異なり、プロジェクトの健全性を保証したり評価する機関がない中で投資家自ら判断を下すため比較的大きなリスクを負う可能性も高いです。
ICOの仕組み
ICOでは、まず企業や団体が独自の仮想通貨を発行します。
発行された仮想通貨は「コイン」や「トークン」と呼ばれ、投資家は企業や団体の活動内容を知り、成長の可能性があると思えばコインやトークンを購入して保有します。
クリプト博士
購入時より価格が上がったタイミングでコインやトークンを売却すれば、売却益を得ることもできます。
ICOを通じて投資家が企業に資金を投じることで、企業は新たな商品やサービスを生み出し、事業を成長させることができます。
投資家は、一般消費者としてその恩恵にあずかれるだけでなく、投資によるリターンも期待できるのです。IPOとICOの違い
IPOは「Initial Public Offering」の略で、新規公開株式のことです。ICOはIPOの仮想通貨版と言われています。
ICOとIPOは以下の2点で大きく異なります。
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ICOはIPOと比べて参入しやすい
IPOで株式を発行するためには、証券取引所に上場しなければなりません。
上場するためには審査があり、誰でも株式を発行できるわけではありません。ICOは審査機関がないため、IPOと比べて参入するハードルは低いといえます。
ただ、法整備のほうが進んでおらず、出資者にとってIPOより信頼性が低いICOに出資する理由が見つからず、資金が集まりにくい面もあります。
議決権や株主優待がない
投資家が株式を保有する理由として、議決権や株主優待が得られる点が挙げられます。
ICOは株式と違い、こうした権利がありません。
ICOの問題点
ICOは、新規のスタートアップが多いこの業界では革新的な手段で、一部のプロジェクトは世界中から多額のETHを調達し成長することができました。
ただ、革新的であるだけに、株式の代わりに利用される『トークン』は既存の法律では対処が難しく、法律の抜け穴を利用した詐欺が横行しています。
調達完了後に音沙汰がなくなり「開発の進捗も分からない…」といったプロジェクトが全体のほとんどを占めるような状況が出てきてしまったのです。
しかし、プロジェクトが投資家に対して報告する義務等が定められた法律はトークンに当てはめることができません。
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STO(Security Token Offering)の登場
そんな中、ICOに続きトークンを利用した資金調達手段として「STO」が登場します。
ある国の法律において証券(Security)と定められるトークン(=セキュリティトークン)を利用した資金調達のことです。
セキュリティトークンによる資金調達は、有価証券に適用される法律に準拠する点でICOと大きく異なります。
ICOにおいては、トークンは証券として扱われませんでしたが、セキュリティトークンの販売は株式などの有価証券同様の発行体としての義務が発行者に課されます。
セキュリティトークンはICO同様、トークンを利用するメリットを十分に享受しながらも、トークンに証券性を付与することで、有価証券をブロックチェーン上で扱うことができるようになったのです。
IEO(Initial Exchange Offering)とは
IEOもまた、ICOに続き登場した資金調達手段の一つです。
仮想通貨取引所がトークンの販売業務や多くの場合で上場までをサポートする「資金調達を望むプロジェクトに対する一括パッケージ」のようなものです。
STOと違いトークン自体に証券性はありませんが、取引所が完全にバックアップする形で資金調達が進みます。
そのため、取引所の権威性・ブランド力を維持するために、自ずとプロジェクトの精査も行われます。
ただし、IEOは取引所を介した取引となるため、ICOと違いグローバルなアクセスが可能とは言えず、取引所に登録を済ませたユーザーのみを対象としたややクローズドなプロセスとなっていると言えるでしょう。
ICOのメリット・デメリット
続いて、ICOのメリット・デメリットを見ていきましょう。
ICOには企業側と投資家それぞれにメリット・デメリットがあります。
企業側のメリット
企業側のメリットとしては、一連の手続きをネット上で行うため、場所や時間にとらわれないというのがあります。
世界中から広くお金を集めることができ、発行に際して厳密な審査がないことから、容易に資金調達できるのも魅力です。
また、ICOは仮想通貨のやり取りで済むため、コストが抑えられるのもメリットです。
企業側のデメリット
ICOは参入が容易なので、それだけライバルも多いです。
しかも、相手は世界中にいます。どうやって自社に出資してもらうか、ライバルとの差別化は重要です。資金調達しようと思っても、目標金額が得られないまま終わってしまうこともあります。
また、国によって制度が違うことから、各国の法律を考慮する必要もあります。ICOを使った詐欺もあるため、安心感を持ってもらうよう配慮しなければなりません。
投資家のメリット
個人投資家がIPOに参加するのはなかなか難しいもの。ある程度、まとまった資金を持ち、抽選に当たらなければなりません。
それと比べるとICOは少額からでも参加しやすく、受け取ったトークンが値上がりすれば利益を得られます。
トークンを企業のサービス利用や商品購入に使うこともできるので、自分が利用したい企業のトークンに出資すると一石二鳥です。
投資家のデメリット
ICOの長所にトークンが値上がりすれば利益が得られるとありますが、もちろん、逆もあります。
値下がりすれば、大きな損失を被る可能性もあります。実は、IPOのような審査がないICOのトークンの中から、値上がりするトークンを探し出すのは至難の業です。
最悪の場合は0円になってしまうかもしれません。どの企業も自社のICOがいかに魅力あるものか打ち出してきますが、大成するのはそのうちの一握りであることは忘れないようにしましょう。
まとめ
仮想通貨のICOについて解説しましたが、いかがだったでしょうか?
ICOは企業が作るサービスの恩恵をあずかれるだけでなく売却益も期待できるハイブリッドな投資先と言えます。
本来の仮想通貨取引に慣れてきたらICOへの投資も検討してみると良いでしょう。