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年をまたいで損益確定した場合の税金の解説【仮想通貨】

年またぎの税金計算や留意点

この記事で分かること
  • 仮想通貨投資における税金の特徴
  • 年またぎでの税金の計算方法
  • 年またぎの留意点
こんにちは!サイト管理人のクリプト博士(@crypto_doctor00)です!

クリプト博士

仮想通貨投資である程度の利益が出たら確定申告をする必要がありますが、株式投資やFXなどと違って仮想通貨投資は損失の繰り越しをすることができません。

そのため、損益を確定させるタイミングはとても重要になります。

そこで今回は、年をまたいで利益確定させた場合の税金について詳しく解説します。

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仮想通貨取引の税金に関する情報は、仮想通貨取引にかかる税金の計算方法や確定申告手順を解説でより詳しくまとめていますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

仮想通貨取引の利益も課税対象

仮想通貨取引で得た所得には税金がかかり確定申告が必要です。

仮想通貨の所得は次の式で算出できます。

仮想通貨の所得=仮想通貨による総収入額-必要経費

仮想通貨の総収入額とは、仮想通貨の売却益のことです。そこから以下のような必要経費を差し引きます。

  • 仮想通貨の購入費用
  • 仮想通貨取引について学ぶための書籍代、セミナー代
  • 仮想通貨取引に関する入金手数料、出金手数料 など

仮想通貨による所得が一定額以上ある場合は、給料以外に収入がない会社員であっても確定申告を行い、所得額に応じた所得税を納付する必要があります。

申告漏れすると税務署から指摘されて多額の延滞税を払わないといけなくなります!

クリプト博士

カレン

そうならないようにしっかりと申告、納付しなきゃですね!

確定申告とは

仮想通貨にかかる税金に関してお話しする前に、確定申告とは何なのかを簡単に説明しておきます。

確定申告とは

その年の1月1日から12月31日までの1年間に得た所得金額と所得税額を計算し、支払うべき税額がある場合には、その翌年の2月中旬から3月15日の期間に申告書を税務署に提出することをいいます。

確定申告が必要な人

会社員や公務員の多くは源泉徴収、年末調整などによって納税しますので、確定申告をしたことがないという人も多いでしょう。

しかし、以下に一つでも該当する場合は確定申告が必要になります。

  • 給与収入が年間2,000万円以上の人
  • 給与所得や退職所得以外の所得金額(仮想通貨による所得を含む)の合計額が20万円を超えている人
  • 給与を2か所以上からもらっている人
  • 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用を受ける人(初年度のみ確定申告が必要)
  • 雑損控除、医療費控除、寄付控除の適用を受ける人(ただし、ワンストップ特別制度により、ふるさと納税の場合で寄付先が5自治体以内であれば確定申告は不要
  • 配当控除の適用を受ける人
  • 同族会社の役員などでその同族会社からの給与以外に貸付金の利子や資産の賃貸料を受けている人

一般の会社員で仮想通貨取引を行っている人は、「給与所得や退職所得以外の所得金額(仮想通貨による所得を含む)の合計額が20万円を超えている人」に該当します。

ただし、海外FXによる所得やアフィリエイト報酬など、雑所得内で損益通算した時に雑所得の合計額が20万円以下になる場合は確定申告の必要はありません

確定申告しなかった場合はバレるのか

仮想通貨投資家の中には利益が出ているのに申告しない人が多いようですが、税務調査は国税局・税務署と大きさの違う組織が行っています。

利益の大きい人には上の組織が行き、利益がそんなに出ていない人には下の組織が行います!

クリプト博士

また、国税庁は2019年7月に電子商取引チームを全国に配置し、取引所などの業者に対して情報提供の要請ができるようになりました。

無申告者や過少申告者に対して効率的に税務調査を行うことができるようになったので、仮想通貨取引で利益が出ていて課税対象になっているのに確定申告していない場合は、バレると考えておいたほうがいいでしょう。

なお、もし過去に申告しなかった場合、今からでも納税ができます

国税庁にて「過年度申告(期限後申告)」が行えます!

クリプト博士

過年度申告の際は、ペナルティとして「延滞税」がかかりますが、延滞税は期間が長くなるほど税率が高くなるので、早めに申告することをおすすめします。

仮想通貨取引の所得が課税対象となるタイミング

仮想通貨取引で発生した所得が20万円を超える場合には確定申告が必要となる可能性があります。

ただし、「取引による所得が20万円」というのは取引所から出金して振り込まれた日本円の金額ではありません

仮想通貨取引による収益が課税所得となるのは次のタイミングでです。

それぞれ詳しく見ていきましょう!

クリプト博士

仮想通貨を売却したとき

所得が発生するタイミングの一つは仮想通貨を売却したときです。

売却したときの価格と取得価額との差額が所得額となります。

所得額 = (仮想通貨の売却価額)-(仮想通貨の1単位あたりの取得価額) × 数量

取得価額とは、仮想通貨を取得するのに要した金額のことです。

手数料などの金額も含みます。

仮想通貨で決済したとき

仮想通貨で商品・サービスを購入する際は、支払いしたタイミングで所得が発生します。

「支払いだから所得ではないでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、これは仮想通貨を一度売却し、日本円に換金してから商品を購入するという取引と同じ扱いになるためです。

そのため、支払いに利用した仮想通貨の時価が購入時よりも上がっている場合はその差額が所得となります

所得額 = 商品の価格 - 仮想通貨の1単位あたりの取得価額 × 数量

仮想通貨で他の仮想通貨を購入したとき

ビットコインでイーサリアムを購入する場合やイーサリアムでアルトコインを購入する場合など、仮想通貨同士の交換であっても所得が発生する場合があります。

なぜなら、この取引においても「仮想通貨で決済したとき」と同じように、仮想通貨を一度売却して日本円に換金してから他の仮想通貨を購入するという取引と同じ扱いになるからです。

所得額 = 購入する仮想通貨の時価 - 売却する仮想通貨の取得価額

マイニング・ステーキング・レンディングで仮想通貨を取得したとき

マイニングやステーキング報酬、レンディングでの利子として仮想通貨を取得した場合も、そのタイミングで所得が発生します。

この場合、ハードフォークで新たな通貨を取得したときなど、取引の種類によって所得が発生するタイミングが異なります。

仮想通貨(暗号資産)にかかる税金の特徴

所得税には事業所得や給与所得、譲渡所得といった様々な所得区分がありますが、仮想通貨取引によって生じた所得は原則として「雑所得」に区分されます。

雑所得には次のような特徴があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう!

クリプト博士

仮想通貨の所得は総合課税の対象である

仮想通貨取引による所得は給与所得などの他の所得額と合計した金額に課税されます。

【具体例】

例えば、年間の給与所得が600万円・仮想通貨取引による所得が300万円の場合、2つの所得額を合計した900万円となり、この金額から控除額などを差し引いた課税所得に課税されます。

これに対し、FXによる所得や株式の譲渡による所得は申告分離課税になるため、他の所得金額と合計せずに分離して税額を計算します。

仮想通貨の所得にかかる税金は累進課税である

仮想通貨取引による所得は、上で述べたように給与所得など他の所得との合計額に課税されます。

さらに、この所得額が大きくなるほど税率が上がる累進課税です。

累進課税は最高で45%(住民税・復興特別所得税を含めると約55%)の所得税が課されます!

クリプト博士

カレン

約半分ですか…
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超え 45% 4,796,000円

所得税額の計算は次のように行います。

課税所得が500万円の場合の所得税の計算

5,000,000円(課税所得)× 20%(税率)ー427,500円(控除額)=572,500円(所得税額)

損益通算ができない

事業所得などで利益が出ていて、仮想通貨取引で損失が発生した場合、この損失は他の所得と相殺することはできません。

給与所得を得ている会社員も、給与所得を雑所得の損失と相殺することはできません。

損失の繰越控除ができない

仮想通貨取引により発生した損失は翌年以降に繰り越すことができません。

アルトコインなども課税対象である

仮想通貨の税金は、アルトコインやビットコインなど種類は関係ありません。どの仮想通貨にも上記のような税金がかかります。

もちろん、「ビットコインでアルトコインを購入する」といった取引も課税対象となり、利益が発生する場合があるので注意してください。

仮想通貨の税金の年またぎでの計算方法

株式投資やFXなどでは、確定申告によって損失を繰越せる制度があります。

【具体例】

例えば、FXで2021年に100万円の損失を出した際、その損失を確定申告しておきます。すると2022年に300万円の利益が出た場合、100万円の損失を相殺して200万円の利益として申告することができるのです。

しかし、仮想通貨ではこうした損失の繰り越しはありません。

ただし、損失は繰り越せませんが、平均取得単価は翌年に引き継がれます。

平均取得単価とは

仮想通貨1枚あたりの原価のことです。

仮想通貨を取得した際の「平均取得単価」は、年度をまたぐ場合は引き継がれ、翌年の利益計算の際に使われます。

【具体例】

例えば、2021年末時点において、1BTCの平均取得単価が300万円で翌年1月にその1BTCを500万円で売った場合、500万円-300万円=200万円の利益となります。

このように、その年の平均取得単価は税金の計算時に利用されます。

その年に利益が出ていない場合でも損益計算を行い、保有している通貨の平均取得単価を把握しておくことが重要です。

年またぎの留意点

これまでのおさらいもかねて、仮想通貨の確定申告における年またぎについて次のポイントから説明します。

それぞれ詳しく見ていきましょう!

クリプト博士

仮想通貨の取得代金は購入時の価格が引き継げる

仮想通貨取引の所得は次のとおりでしたね。

仮想通貨の所得=仮想通貨の収入-仮想通貨の必要経費

必要経費は、主に仮想通貨の取得代金となります。

仮想通貨の所得は、売却した金額から売却した仮想通貨の取得価額を引いたものということですね!

クリプト博士

取得代金ですが、過去に購入した仮想通貨の取得代金も含めることができます。

【具体例】

例えば、仮想通貨バブルの2017年に購入し、その仮想通貨を2020年に売却した場合は以下のようになります。

2020年の所得=2020年の売却額-2017年の購入価額

過去の取引データを保管・メモ等しておくことが大切です。

基本的に、仮想通貨の損益は年間取引報告書で算定することになりますが、過去に購入した仮想通貨の枚数は分かっても金額は分からないことが多いです。

そのため、過去の仮想通貨の取引データはなるべく残しておきましょう

仮想通貨の損失は繰り越せない

繰り返しますが、仮想通貨の損失は翌年度に繰越することができません。

ただし、同一年度内の利益とは相殺することができます

次の3つのパターンを例に考えてみましょう!

クリプト博士

パターン1

2021年に仮想通貨Aで50万の損失 2022年に仮想通貨Bで100万の利益

パターン2

2021年は取引なし。2022年に仮想通貨Aで50万の損失を出し、仮想通貨Bで100万の利益も出した

パターン3

2021年に仮想通貨Bで100万の利益、2022年に仮想通貨Aで50万の損失

いずれも、仮想通貨Aで50万の損失、仮想通貨Bで100万円の利益を出しています。違うのは利益と損失の出る年度です。

この場合、税金上最も有利なのは、パターン2のケースのみとなります。

つまり、同一年度に利益と損失を出すのが最も税金上は有利です。

パターン1は2021年は仮想通貨利益ゼロとして計算し、2020年に100万の課税対象となります。

パターン2は2022年に50万の課税対象。

パターン3は2021年に100万の課税対象、2022年は仮想通貨利益ゼロとして計算することになります。

同一年度内に利益と損失を出した場合のみ課税対象が50万円と低くなるのです!

クリプト博士

入金タイミングでは仮想通貨の損益発生はない

3つ目の注意点は、損益計算のタイミングは銀行口座に入金されたタイミングではないということです。

仮想通貨の損益発生タイミングは、売買時や決済、交換時です。

銀行口座に入金されたタイミングではないのでご注意ください!

クリプト博士

仮想通貨取引所で売買等を行えば、銀行口座に入金されていなくても、売買等を行った時点で損益が発生します。

ですから、仮想通貨取引所にJPY残高が残っていてそのまま年を越したという場合でも、しっかりと損益を計算して認識しなければなりません。

ここまでの情報を簡単にまとめておきます!

クリプト博士

年またぎまとめ
  • 得られた利益に対して課税されるので年をまたいでトータルで損益が同じだったとしても損益を確定するタイミング次第で税金が異なる
  • 利益と損失が出た年度が違う場合、一方の年に利益のみもう一方の年に損失のみを確定した場合などは両者について課税対象となる利益額を損失額に相殺できない
  • 同一年内に損益を相殺する節税対策は可能

次のトピックで詳しく説明しますが、仮想通貨の場合は同一年内の損益に関してしか相殺することはできません。

したがって、利益を損失で相殺して利益を少しでも確保したい場合は、課税所得を減らすということを考える必要があります

仮想通貨の税制の特性を踏まえた節税対策

仮想通貨取引の確定申告は他にはない特徴があり、それを踏まえて節税対策も行う必要があります。

前提となる仮想通貨税制の特性は次の2点でしたね。

仮想通貨税制の特性
  • 【暗号資産(仮想通貨)の「年またぎ」】
    仮想通貨(暗号資産)で税金がかかる場合において、個人の所得税は、1月1日から12月31日までに得られた利益に対して課税されるため、損益は、年をまたいで繰り越されません。
  • 【仮想通貨(暗号資産)同士の損益通算】
    同じ年に発生した仮想通貨同士の損益(例えば、ビットコインによる利益とアルトコインの損失)を通算して、利益額を減らすことはできます。

以上2点の特性を生かして、年末までにできる仮想通貨の節税対策は次の通りです。

節税対策
  • その年の損益状況を確認する
  • 同一年内の損益を相殺するように利益又は損失を確定しておく

損失が出ていればそれに見合った利益を確定し、利益が出ていればそれに見合った損失を確定するということです。

今年ビットコインで既に100万円の損失を確定しており、もう一つ、イーサリアムで含み益があり、翌年も結果的に上昇する場合を考えてみましょう。

【具体例】

まず、含み益のあるイーサリアムを翌年に持ち越して結果的に200万円の含み益を確定した場合は、翌年に200万円の利益が発生し、これが申告対象となります。

今年は損失のみのため申告は発生しません。

一方で、イーサリアムを一旦年末時点で含み益150万円で利益確定し、すぐに同額で買い戻して、翌年結果的に50万円の含み益を確定した場合を考えてみましょう。

【具体例】

まず今年、イーサリアムの利益とビットコインの損失と相殺できます。

今年は150-100=50万円の利益が申告対象となり、翌年は50万円の利益が申告対象となります。

つまり、相殺をすると損益額は変わらなくても、申告対象となるトータルの利益が前者が200万円、後者が100万円と違ってくるのです。

所得税の累進課税制度も考慮すると、一般的には少額ずつの後者がより有利になっていると言えますね!

クリプト博士

まとめ

仮想通貨投資に関する税金の特徴や年をまたいで場合の税金計算などについて解説しましたが、いかがだったでしょうか?

株式投資やFXなどと違って仮想通貨投資は損失の繰り越しをすることができません。

そのため、損益を確定させるタイミングがとても重要になります。

基本的には同一年に利益と損失を出すほうが税金的に有利だということは覚えておきましょう!

クリプト博士

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