- GalaxyDAOは仮想通貨取引所（？）
- 自作自演の事業承継の可能性あり
- 遅延分が出金される可能性は低い
2023年5月に運営を停止したGEMFOREXですが、同年8月1日にGalaxyDAOとM&Aによる経営権譲渡及び事業承継に関するお知らせを発表しました。
2023.08.01
平素は弊社サービスをご利用いただき誠にありがとうございます。
引用：GEMFOREX
お客様に重要なお知らせがあります。
GEMFOREXは、2023年7月31日に経営権の譲渡とM&Aによる事業承継契約の締結を完了し、2023年8月1日より買収先であるGalaxy DAOにより運営されます。 今後ともGEMFOREXをよろしくお願いいたします。
今回は、海外FXユーザーから注目の集まっているGEMFOREXの経営権譲渡先についての情報と、出金遅延分が出金されるのかについて調査してみました。
GalaxyDAOとは
GalaxyDAOとはどんな会社なのか
まずはGalaxyDAOの会社概要について調査してみました。
| 詳細 | |
| 会社名 | 不明 |
| 所在地 | 不明 |
| 代表 | 不明 |
| 資本金 | 不明 |
| 公式サイト | https://galaxy-dao-1.gitbook.io/docs/ |
Trade Planets は、Galaxy DAO によって開発された集中型暗号通貨取引所です。デジタル資産のスポット取引、保管、転送をサポートするユーザーフレンドリーなプラットフォームを提供することを目的としています。さらに、Trade Planets は、ユーザーの即時のトークン間の変換とレバレッジ取引を容易にします。
引用：Trade Planets
GoogleでGalaxyDAOと検索しても、会社詳細は一切検出されませんでした。
またGalaxyDAOの公式サイトも非常に簡素なものでとりあえず形を作った程度のお粗末なサイトです。最終更新日が7月18日という点からも、8月1日の事業承継先の公開前に作成したものということがわかります。
GalaxyDAOのホワイトペーパー公開
ホワイトペーパーとは企業の情報やサービスの戦略政策、今後の課題解決などをユーザーに公開する大事な資料です。
2023年8月15日に、海外FX業者業者のGEMFOREXを買収したGalaxy DAOがホワイトペーパーを公開しました。
それと同時に、7月31日時点でGEMFOREXが提示していた補償内容やスケジュールが明らかになったので、まとめて記述します。
GEMFOREXが7月31日時点で提示していた補償内容は以下の通りです。
- サービス再開の目処が立ち次第一括出金
- 年5%の損害金を財布口座に付与(後ほど解説します)
加えて、8月以降のスケジュールは以下の通りです。
- 2023年8月1日～15日 ホワイトペーパー公開予定
- 2023年8月15日～8月31日 出金遅延者への出金対応予定
- 2023年9月1日～30日 サービス再開
予定されていた日程のギリギリではあるものの、ホワイトペーパーはスケジュール通り公開されました。
それでは次に、ホワイトペーパーで示されたGEMFOREXユーザーへの補償内容を紹介します。
元GEMFOREXユーザーへの補償はGBOND(トークン)で行う
GEMFOREXの運営は、未出金の資金があるユーザーに対して「GBOND」というトークンを発行する予定だそうです。
このトークンは、Galaxy DAOがユーザーの未出金額を引き継ぐためだけに発行されるトークンですので、このトークンの価値が変動したり、市場で売買したりすることはできません。
1GBOND ＝ 1ドルとして扱われるので、1,500ドルの資金が残っている場合は1,500GBONDのトークンを受け取ることになります。
GBONDのロックについて
GBONDはロックされた状態でユーザーへ発行されます。そのロックを解除してユーザーがGBONDを利用できるようになります。
ロックを解除して利用できるようになる機能は後ほど解説します。
また、ロック解除機能は不可逆的な要素を含んでいるので、一度ロックを解除すると再びロックすることができないそうです。
GBONDのロックを解除した場合、「Galaxy DAOが保有する債権の全額が決済される」とされているので、もしトークンを受け取ったらとりあえずロックは解除しないほうがいいでしょう。
ロックされたGBONDの機能について
付与されたGBONDのロックを解除せずに保有した場合、年利5％(月利0.416％)のDDT(Delayed Damages Token)という名前のトークンが付与されます。
DDTは毎月付与され、トークンの価格は1DDT＝1ドルとして扱われるそうです。
一定の価格の担保がされたステーブルコインのようなものですね。
年利5％のDDTトークンの付与が「年5%の損害金を財布口座に付与」を表すものだと考えられます。
しかし、このDDTの具体的機能が示されていないどころか、法定通貨や他の仮想通貨と交換できるかどうかも不明です。
ロック解除されたGBONDの機能について
ロックを解除されたGBONDは、主に2つの機能を持っています。
stGBONDによる利息の支払い
1つ目の機能は、stGBONDというGBONDとはまた別のトークンによる利息の支払いを受け取ることができます。
ロックを解除したGBONDをステーキングすると、stGBONDというトークンを年25％の利息で受け取ることができるそうです。
GBONDとは異なり、ホワイトペーパーによるとstGBONDはポリゴンブロックチェーン(PolygonまたはMATIC)上で発行される予定らしいので、分散型取引所(DEX)や中央集権型取引所(CEX)を通じて、公的に取引ができるとのことです。
しかし、stGBONDが取引可能になると言っても、stGBONDにどれくらいの価格がつくかは分かりません。
高利息の受け取りは魅力的とはいえ、GBONDのロックを解除することが最適解だと一概には言えません。
USDCの借り入れ機能
2つ目の機能は、USDCというステーブルコインの借り入れが可能になるとのことです。
GBONDを預けることによって、1GBONDにつき0.05USDCの借り入れができるそうです。
Galaxy DAO内のUSDCの借入限度額は5%、借入限度額が低いのに加えて、USDCを借りる意味もいまいち分かりません。
ホワイトペーパーによるとUSDCの借入限度額は以下の表のように変動するようです。
| 日付 | USDCの供給量 | 借入限度額 |
| 2023年9月 | 100万USDC | 5% |
| 2023年10月 | 120万USDC | 5.5% |
| 2023年11月 | 140万USDC | 6% |
| 2023年12月以降 | Galaxy DAOの収益次第 | Galaxy DAOの収益次第 |
今回の対応に怒りをあらわにする元GEMFOREXユーザー
Galaxy DAOによるM＆Aが成立したかと思えば、日本円やドルなどといった通貨での出金対応ではなく、どのように転ぶか分からない新規トークンでの対応ということが判明しました。
この対応には出金拒否被害に合ってしまった日本人ユーザーから怒りの声があらわになっています。
GalaxyDAOの名前の由来はベッカム？
さらにGalaxyDAOの名前の由来はGEMFOREX側がデビット・ベッカム選手が移籍したチーム名に因んでつけられたものではないかという憶測も飛び交っています。
というのもGEMFOREXのアンバサダーの元プロサッカー選手のデビット・ベッカム選手がレアル・マドリードから移籍したチームがロサンゼルス・ギャラクシーだからです。
ベッカムとロサンゼルス・ギャラクシーとの契約は2007年7月11日に結ばれ、13日にホーム・デポ・センターでギャラクシーへの入団発表が行われた。
引用：デビッド・ベッカム｜Wikipedia
2022年からGEMFOREXのアンバサダーとして活躍してきたことを考えると妙に信憑性があります。
ちなみに、デビット・ベッカム選手はまだGEMFOREXのアンバサダーなのか調査をしたところ、GEMFOREXユーザーページにはまだ写真が残っているため契約が続いているのかもしれません。（消し忘れている可能性もあります）
GalaxyDAOのTwitterは2アカウントある
Galaxy DAOの公式Twitterアカウントは2種類あるのも、GalaxyDAOが怪しいという印象を与えています。
@galaxy_dao_
GalaxyDAO公式サイトでは、こちらのアカウントが案内されています。公式サイトからの発信なのでまずこちらのアカウントが本物で間違いないでしょう。
@GlxyDAO
気になるのがこちらのアカウントです。GalaxyDAOの公式アカウントよりも2年も前に開設されており、さらに2022年5月にはじめてツイートしています。
公式よりも早い開設・ツイートなのでおそらく旧公式アカウントではないでしょうか。
GEMFOREXのM＆Aは自作自演の可能性が高い
以上のことから、今回GEMFOREXが実施したM＆Aは自作自演の可能性が非常に高いということがわかりました。
出金される可能性は極端に低い
GEMFOREXからの出金遅延分が返金される可能性は低いでしょう。
というのも、事業継承先の公開前、買収合意金額である650,000,000USD（当時の日本円にして910億円）は、新しい経営陣が立て直しを図る費用として、お客様への出金に充てるという意向をGEMFOREXが表明していました。
しかし実際は、その場しのぎのなんちゃってM＆Aの可能性が高く、買収合意金額はおろかGEMFOREX経営陣もGalaxyDAOに名前をかえただけという可能性が高いからです。
GEMFOREXの今後について
GEMFOREXの継承先であるGalaxyDAOですが、今後サービスを再開する可能性は極めて低いでしょう。
これまでGEMFOREXは最も勢いのあるFX業者といえるまで上り詰めており、人気も高かったですがこの結果は誰も想像していなかったのではないでしょうか。
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- 出金されない
- サポート体制が不十分
- 約定拒否される
- 会社の経営が不安定
今回のGEMFOREXのような被害にあわないためにも、悪評のある海外FX業者はしっかりと把握しておきましょう。
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