FXトレードをするには、MetaQuotes社が開発した高機能取引ツールMetaTrader4、MetaTrader5(以下、MT4、MT5)といった、取引するためのプラットフォームが必要です。
そもそもMT4とMT5のちがいは?
MT5が使える海外FX業者を知りたい
今回はMT4とMT5のちがいや、それぞれの特徴や、対応している海外FX業者も合わせてご紹介。
この記事を読めば、自分がどちらのプラットフォームをダウンロードすればいいのか理解できます。
MT4とMT5のちがい|比較表
MT4とMT5の比較表
項目 | ||
---|---|---|
操作速度 | 遅い | 速い |
時間足 | 9種類 | 21種類 |
気配値ウィンドウ | 機能少ない | 多機能で見やすい |
スマホアプリ | 機能少ない | 多機能 |
カスタムインジケーター | 多い | 少ない |
EA | 多い | 少ない |
過去のアップデート | 4回 | 14回 |
対応FX業者 | ほぼ全部の業者 | 一部の大手業者のみ |
スペックを比較した結果、MT5の方がサクサク動くので使いやすいと言えます。
ただし、インジケーターやEA(自動売買)の種類はMT4の方が多いです。
MT4、MT5の特徴をもっと知るために、次章で詳しい内容を説明していきます。
MT4とは
MT4とはMetaTrader4の略称で、ロシアのメタクォーツ社が開発したFX専用取引ツールです。
2005年にリリース後、世界中のトレーダーに愛用されている定番プラットフォーム。
操作性に優れ初心者でも使いやすく、無料で利用できるとあって、一気にFXトレーダーに広まりました。
画面のレイアウト変更や、表示させたい情報の選択が自由にできるなど、カスタマイズ性も評価されています。
MT4を利用するメリット・デメリット
海外FX業者によっては、独自のプラットフォームを提供していることもあります。
FX取引に利用できるツールは、MT4やMT5だけではありません。
しかしMT4が多くのトレーダーに利用されている理由は、その機能性の高さです。
高機能なテクニカル分析ができるツールが豊富にあり、MT4のデフォルトツールだけでFX取引が完結するほど優秀です。
また自動売買システムが自由に利用できる点も、高く評価されています。
MT4に自動売買のEAを組み込んで設定しておけば、勝手に取引をおこなってくれます。
これまでに多くのEAが開発され、MT4内で利用されてきました。
MT4はバックテストも可能なため、リスクなしで実験的にEAを体感できます。
デメリットは今後のアップデートが期待できない点。
メタクォーツ社はMT4の開発終了を宣言しており、アップデートも長期間実施されていません。
そのため、今後はMT5に移行が進むと予想されます。
MT4が利用できる海外FX業者
GEMFOREX、TitanFX、AXIORY、Land-FXなど、ほとんどの海外FX業者でMT4が利用できます。
しかしメタクォーツ社の公式サイトからは、MT4がダウンロードできません。
海外FX業者の公式サイトからダウンロードしましょう。
MT5とは
MT5とはMetaTrader5の略称です。
MT4と同じく、ロシアのメタクォーツ社が開発したFX専用取引ツールで、誰でも無料で利用できます。
MT5は、MT4の後継版として、2010年にリリースされました。
時間足のバリエーションや搭載されているインジケーターの数では、MT4に大差をつけています。
動作速度もより速くなり、スペック全体が高機能になったのも特徴。
MT5を利用するメリット・デメリット
MT5がMT4に勝る点として、サクサク動く点があげられます。
MT4よりも約定スピードが速いため、自分で注文を入れる裁量トレーダーに評価されています。
時間足もMT4より多く表示でき、板情報やナビゲーターウィンドウも見やすいと高評価。
細かいチャート分析も可能です。
しかしMT4の後継版であるにも関わらず、EAとインジケーターに互換性がありません。
そのため、これまでMT4を愛用していたトレーダーを取り込めず、なかなか普及していない現状があります。
MT5が利用できる海外FX業者
あまり浸透していないMT5ですが、利用できる海外FX業者も増えています。
おもな海外FX業者でMT5が利用できるのは、以下のとおり。
AXIORY
FBS
Land-FX
Tradeview
TitanFX
XM
大手海外FX業者は、すでにMT5に対応しています。
GEMFOREX(ゲムフォレックス)も2022年よりMT5を提供開始。
公式サイトでは、インストールやログイン方法を丁寧に解説しています。
もちろんGEMFOREXが無料で提供している自動売買のEAも、MT5に紐づけて利用できます。
関連記事:GEMFOREXのおすすめEA(自動売買)ランキングTOP5
MT4とMT5の違い
ここまではMT4とMT5それぞれの特徴と、利用できる海外FX業者を確認しました。
どちらもメリットが多いですが、結局のところ、どちらがいいのでしょうか。
ここからはMT4とMT5を比較し、自分にはどちらが合っているのかを考えてみましょう。
最大の違いは動作速度(MT5はサクサク)
MT4とMT5では、システムの動作速度が大幅に異なります。
MT5はMT4に比べ格段に速く、ストレスフリーでトレードに集中できるでしょう。
タイムラグを感じることなく、約定も滑りにくいのが特徴です。
なぜMT5の動作速度が速いのか、理由はMT5はパソコンの一次記憶装置を多く利用しているから。
MT5はパソコンのメモリを多く使うため、メモリの不足が心配されます。
低スペックのPCだとMT5を使うメリットが半減してしまいます。
しかしそこまで不安に感じる必要はありません。
最近はパソコンのスペックも良くなっています。
ほとんどの環境で、快適に取引できるでしょう。
MT5の方が時間足の種類が豊富
MT5は時間足のバリエーションが豊富です。
海外FX業者 | ||
---|---|---|
時間足 | 9種類 | 21種類 |
分足 | 1分足・5分足・15分足・30分足 | 1分足・2分足・3分足 ・4分足・5分足・6分足・10分足・12分足・15分足・20分足・30分足 |
時間足 | 1時間足・4時間足 | 1時間足・2時間足・3時間足 ・4時間足・6時間足・8時間・12時間足 |
その他 | 日足・週足・月足 | 日足・週足・月足 |
MT4では1分足から月足までの9種類のみでしたが、MT5では時間足の表示が21種類。
2分・3分・2時間など、MT4以上に細分化して分析力を強化しています。
MT5は気配値と呼ばれる板情報も見れるようになっています。
視覚的に見やすく、わかりやすい表示です。
使い勝手が向上した点でも、MT5は評価できるでしょう。
カスタムインジケーターやEAはMT4が多い
MT4が今でも多くのトレーダーに愛用されている最大の理由が、カスタムインジケーターやEAの数です。
実はデフォルトでもインジケーターは搭載されています。
デフォルトインジケーターの数は、MT4よりもMT5の方が多いです。
しかしカスタムインジケーターの数はMT4が圧倒的に多く、MT5はMT4に劣ります。
とはいえ、MT5も基本的なインジケーターは網羅しているため、MT5で充分こと足りるトレーダーもいるでしょう。
MT4を導入している業者の方が多い
MT4とMT5、両方に対応している海外FX業者は、ごくわずか。
多くの海外FX業者が、MT4のみに対応しています。
MT4が海外FX業者の大多数で導入しているのに対し、MT5を導入している業者は数えるほどしかありません。
そのため、複数の海外FX業者を利用しているトレーダーは、統一できない不便さを感じるでしょう。
メタクォーツ社がMT4の開発終了を宣言した背景には、MT5の浸透が想定以上に進まない現状にあります。
MT4に慣れ親しんだトレーダーたちは、MT5への移行に消極的でした。
リリースから10年以上経った2022年現在も、MT4がシェアの独占状態にあります。
メタクォーツ社は相当焦っているのでしょう。
公式サイトからは、MT4のダウンロードリンクも消えています。
今後はMT5の開発にさらに注力すると推測されます。
PC版とスマホ版で機能に違いはあるのか
MT4・MT5ともに、パソコンだけでなくスマホ版のアプリがリリースされています。
スマホアプリを使えば、移動中や出先でもトレードできるとあって、最近はスマホアプリのユーザーも多くなっています。
PC版とスマホ版の違いは大きく2つあり、スマホ版の機能がやや劣ります。
まずスマホ版は自動売買に対応していません。
そのため、EAを利用したい人はパソコンにMT4・MT5をダウンロードする必要があります。
またスマホ版は、カスタムインジケーターの追加もできません。
とはいえ、デフォルトで搭載されているインジケーターも豊富ですので、使い方によっては充分利用できるでしょう。
スマホ版はあくまでも外出時の補助的役割。
スマホ版だけで満足するほどの機能は期待できないと、心得ておきましょう。
MT4とMT5は互換性がないため注意
MT5の普及が進まない最大の理由は、インジケーターとEAの互換性がない点でしょう。
MT4とMT5では、使用されているプログラム言語が異なるためです。
使い慣れたインジケーターやEAがMT5で使えないとなると、MT4から移行できないトレーダーが多いのも納得できますね。
MT4からMT5に乗り換える際には、互換性がない点を覚悟しておきましょう。
MT4とMT5、結局どちらを選べばいい?
MT4とMT5には、それぞれメリット・デメリットがあることがわかりました。
しかしMT4とMT5の違いがわかったところで、結局どちらにすればいいのか分からない人もいるでしょう。
ここからはトレードの手法に合わせた、MT4とMT5の選び方を解説します。
チャート分析中心のトレーダーはMT5がおすすめ
MT5が向いているのは、ずばり裁量トレーダー。
チャート分析をして、自分のタイミングでトレードしたいFX中級者におすすめです。
スキャルピングトレード中心のトレーダーも、迷わずMT5を選択しましょう。
MT5は動作速度が速いため、狙ったタイミングで約定できます。
スリッページが少ないためロスを少なくでき、最大限に利益を伸ばせるでしょう。
サポートも充実しており、常にアップデートされています。
今後はMT5が主流になると予想されるため、早くから操作に慣れておく意味でも、MT5を選択するといいでしょう。
カスタムインジケーター使用ならMT4
MT4はFX初心者におすすめです。
MT4は歴史が長いため、カスタムインジケーターやEAが豊富。
これまでに多くの企業や個人投資家から、多くのインジケーターやEAが開発されてきました。
EAを使えば、チャート分析ができない初心者トレーダーでも、簡単に取引に参加できます。
インジケーターの利点を活かせば、FXの勉強をしながらトレードに慣れていけるでしょう。
MT4は、取引経験の少ないトレーダーが最初の一歩を踏み出すのに最適です。
まとめ:FX初心者はMT4がおすすめ
MT4の後継版としてリリースされたMT5は、動作速度がMT4と比べて速く、ストレスフリーでトレードに集中できます。
しかしカスタムインジケーターや自動売買のEAのバリエーションが少ないため、MT4から移行できないトレーダーも多いのが現状です。
チャートの見方がよくわからなかったり、自信がなかったりする初心者トレーダーには、MT4をおすすめします。
豊富なカスタムインジケーターやEAの力を借りれば、初心者でも簡単にFXトレードが始められるでしょう。
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