STICPAYとは、国際間送金で使用できるオンラインウォレットで、海外FXの入出金で多くのトレーダーが利用しています。
しかし、海外FX初心者にとって、STICPAYを利用するメリットや実際の入出金手順など、疑問点は多いでしょう。
- STICPAYをつかうメリット
- STICPAYと電子マネーの違い
- STICPAYの実際の入出金のやり方
この記事では、STICPAYの特徴からメリット・デメリット、どのような人が使うべきなのかなどについて、分かりやすく解説していきます。
STICPAY(スティックペイ)とは?
STICPAYとは、2017年に設立されたオンライン国際決済サービスのことで、日本では海外FXなどの入出金サービスとして多くの投資家に利用されています。
海外FXのオンライン決済方法はSTICPAYの他にNettler(ネッテラー)もありますが、残念ながら日本からは事業撤退となり2023年3月時点では利用できません。
したがって、STICPAYは第2のNettlerとして期待されています。
次章で、STICPAYの具体的な特徴や、電子マネー・プリペイドカードとの違いについて深掘りしていきます。
STICPAYの特徴
STICPAYの特徴は、電子マネーと同じようにSTICPAYのアカウントにお金をチャージし国際間で送金できるオンライン決済サービスである点です。
例えばXMではSTICPAYが利用できますので、投資家はSTICPAYのアカウントさえ作ればXMでの利益をSTICPAYの口座に送金し国内銀行口座に振り込む、あるいはSTICPAYカードでATMから引き出せます。
もし、オンラインウォレットを使用しない場合、トレード後の利益出金には高い手数料を払って国際送金する必要がありました。
しかし、STICPAYを利用すれば、高い手数料を払うことなく最短で当日中の出金が可能になるのです。
ただし、手数料に関してはbitwalletより少し割高になります
STICPAYと電子マネーの違い
STICPAYと電子マネーの違いは、STICPAYのユーザー同士でお金のやり取りができること。
そして、最大の違いはSTICPAYアカウントから個人の銀行口座への出金も可能な点です。
これは、PayPayや楽天Payのような日本の電子マネーにはないメリットです。
STICPAYカードと一般プリペイドカードの違い
STICPAYの魅力の一つにSTICPAYカード(プリペイドカード)が発行できるメリットがあり、これにより世界各国のATMからお金を引き出すことができます。
非常に便利なサービスですが、一般のプリペイドカードとは若干仕組みやルールが異なります。
もし、STICPAYプリペイドカードを申請する際には内容を必ずチェックしておきましょう。
STICPAYプリペイドカード | 一般的なプリペイドカード | |
取得費用 | STICPAYの口座残高が110USドル以上 | 無料 |
入金 | STICPAYの口座残高から引き落とし | コンビニ、ATM、クレジットカード、ポイント移行など |
出金 | 可 | 不可 |
必要書類 | パスポート 身分証明証 居住地証明書 | 本人確認書類1つ (運転免許証、パスポート、マイナンバーなど) |
申請から到着まで | 2~3週間程度 | 1~2週間 |
STICPAYプリペイドカードを申請するには、口座残高が110USドル以上(カード発送費40USドル+最初のチャージ金額500HKドル)あることが必要です。
STICPAYとbitwalletの比較表
STICPAY | bitwallet | |
口座開設時間 | 1~2営業日 | 営業日であれば24時間以内 |
必要書類 | 居住証明書、身分証明書 | 居住証明書、身分証明書 |
物理的カードの有無 | 有(STICPAYカード) | 無 |
入金方法 | 5つ | 3つ(※1) |
入金手数料 | 1%~ | 無料~ |
国内銀行への出金速度 | 1~2営業日 | 通常24時間以内 |
出金手数料 | 800円+2% | 一律824円 |
対応海外FX業者(※2) | XMなど10社に対応(XM、AXIORY、Exness,TitanFX、Land-FX、FXGT、GEMFOREX、Tradeview、GENETRADE、easyMarkets | XMなど7社に対応(XM、TitanFX、FXGT、Tradeview、iFOREX、HotForex、FBS |
STICPAYとbitwalletのちがい
日本で海外FX業者を利用している人にとって利用率が高いオンラインウォレットは、bitwalletでしょう。
2023年3月現在、bitwalletは入金手数料が無料です
STICPAYとbitwalletの違いは以下の通り。
- 物理的カードの有無
- 入金方法の種類(仮想通貨入金の可否)
- 入出金手数料
- 対応海外FX業者の数
仮想通貨による入出金については国際決済や国際送金という観点からはマネーロンダリングの問題は残ります。
今後、海外FX業者がいつ入出金方法として利用停止するか、注視する必要があります。
入出金コストはbitwalletの方が割安
それでは、STICPAYとbitwalletの入出金手数料について比較していきましょう。
日本でオンライン国際決済サービスを利用する人の多くは、海外FXやブックメーカー・オンラインカジノの利益送金に使っています。
海外FXの場合、クレジットカードやデビットカードで手数料無料で即時入金することができます。
しかしほとんどの海外FX業者の出金ルールとして、入金額以上に出金できません。
つまり、利益分については他の出金方法を選択することになります。
一般的に利益分を出金するには、国内銀行、海外銀行、オンライン国際決済サービスを利用することになり、その中から手数料が安くて少しでも早く送金可能なサービスが選ばれます。
つまり、STICPAYは利益分の送金サービスとして利用される場合がほとんどなのです。
bitwalletの場合、クレジットカードやデビットカード同様に海外FXへ無料で瞬時に入金ができ、送金に関してもSTICPAYよりも手数料は割安。
現状、STICPAYを利用するのに適した人(日本人)とは、bitwalletに対応していない海外FXなどを利用している人に限定されるでしょう。
STICPAY(スティックペイ)を使うメリット
STICPAYを使うメリットは先述した通り、bitwalletに対応していない海外FX業者でのオンラインウォレット決済です。
例えば、日本人に大人気のAXIORYでは、STICPAYは採用されていますがbittwalletは採用されていません。
AXIORYの場合、利益分を出金する場合に一部の国内銀行であれば手数料無料で送金できます。
しかし、手数料はかかるものの少しでも早くお金を手に入れたいという場合にはSTICPAYという選択肢が出てきます。
それでは、STICPAYのさらなるメリットについて解説していきます。
ATMから出金できる
まず1つ目のメリットはATMから出金できること。
以前大人気であったオンライン国際決済サービスのNettler(ネッテラー)では、マスターカードのプリペイドカードが作成でき、国内外のATMで現金を引き出すことが可能でした。
Nettlerでの現金引き出しができなくなった後に、注目を浴びたのがSTICPAYです。
STICPAYはSTICPAYカードというプリペイドカードが作成でき、世界中のATMから現金を引き出すことが可能。
これは非常に大きなメリットと言えるでしょう。
法定通貨↔仮想通貨の両替も利用可能
STICPAYはオンライン国際決済サービスとしてだけではなく、電子ウォレットとしての機能も持っており、アカウント内にあるお金を法定通貨や仮想通貨と両替することができます。
例えば、日本円で入金したお金をドルに両替することができますし、あるいは日本円をビットコインに両替することも可能です。
一定の手数料は発生しますが、2022年後半のような長期にわたる円安相場が発生した場合、アカウント内で円から米ドルに両替することで利益を狙うこともできるでしょう。
日本語完全対応で丁寧なサポート
日本人が海外サービスを利用する場合に最も気になるのがサポート体制です。日本語での対応可否は英語に慣れていない私達にとってかなり重要になります。
しかし、STICPAYのサポートデスクには日本人スタッフが常駐していますので、こちらの意図が伝わらずに余計なやり取りを繰り返す手間が省けるため安心です。
よくありがちな機械翻訳されたような不自然な日本語対応ではありませんので、コミュニケーションストレスは限りなく少ないといえます。
一般的に、評判の良い海外FX業者の場合には日本語でのサポートが非常にしっかりしています。これはオンライン国際決済サービスでの日本人利用が増加傾向と捉えることができます。
安全性の高い金融ライセンス取得
STICPAYは英国の「FCA」という金融ライセンスを取っています。
FCAで金融ライセンスを取得するためには、以下の内容が審査されます。
- 資本金額の審査
- トレーダーの資産を分別管理しているか(顧客資金取扱規定および金融サービス補償スキーム)
- 外部の監査機関から監査を受けているのか
- 経営状態や顧客資金の取り扱い方法などの決算書の内容
- 顧客のサポート体制
そして、FCAの金融ライセンスは、更新性のため、ライセンスの取得後も毎年書類を提出し、基準を満たしていなければ、ライセンスが失効してしまうのです。
さらに入出金の手続きに対する審査基準も非常に厳しく、出金拒否や出金トラブルが発覚した場合にも、金融ライセンスが取消となります。
ビットコインなどの仮想通貨市場はマネーロンダリング資金で成り立っているといわれるほど、国際送金・決済関連はマネーロンダリングに利用されることが多く、通常は名目上の金融ライセンスを取得しているところがほとんどです。
これに対して、先述した通り、「FCA」を取得したSTICPAYは安心して利用できるサービスだと言えます。
STICPAY(スティックペイ)のデメリット
STICPAYのメリットを理解した次に、デメリットについて解説していきましょう。
国内銀行入金の際の手数料が割高
STICPAYの公式サイトによると、国内銀行経由で入金した場合に手数料は2%となっており、1日あたりの限度額は最大100万円、最低5000円となっています。
クレジットカードやデビットカード、bitwalletが無料で入金できるのに対して大きなマイナスポイントとなっています。
また、2023年3月時点では、XM、AXIORYという日本人に大人気の海外FX会社で入金に規制がかかっています。
XMでは新規での受け入れを規制しており(既存のSTICPAYユーザーは入金が可能)、AXIORYでは一時的に入金ができない状況です。
そもそも海外FXにSTICPAYから入金する日本人はほぼいないでしょうが、日本人になじみの深い海外FX2社で入金できないというのは痛いところですね。
入出金額が高額になるほど手数料も高い
STICPAYの入出金については、bitwalletよりは手数料は割高となりますが、かと言って、それほど高いというわけではありません。
ただし、手数料の金額が入出金額に比例して大きくなるため、大きな金額になると手数料もそれだけ大きな額となってしまいます。
対処法としては、何度かに分けて送金し手数料を抑えるという方法がありますが、言うまでもなく面倒です。
また、他のデメリットとして、国内銀行からSTICPAYのアカウントに入金したお金はオンラインカジノやブックメーカーなどのギャンブル関連には送金しないように推奨されています。
さらに、STICPAYのアカウントに入金したお金をビットコインなどの仮想通貨に両替した場合、その仮想通貨を日本国内に送金することは禁止されています。
守らないユーザーに関しては、口座が凍結されてしまう可能性もありますので注意が必要です。
STICPAYの口座開設・入金から出金までの手順
STICPAYのメリット・デメリットについて説明しましたが、サービスとしては非常に優れており、かつ安心して利用できるものです。
ここでは口座開設方法と入出金方法について解説します。
口座開設は、海外FXや仮想通貨取引所などで口座開設経験がある人ならば問題ないでしょう。
初めての人の場合も事前準備さえしていれば問題なくアカウントが作成できます。
【事前準備】本人確認書類を用意
STICPAYの口座開設は簡単ですが、他の海外FXの口座開設と同じように本人確認書類をアップロードする必要があります。
必要になるのは、居住証明書と身分証明書です。
居住証明書とは、公共料金領収書、携帯会社やクレジットカードなどの利用明細書のことで、口座開設する本人名義のものであり、同じく登録する住所、居住証明書の発行元企業の名称(電力会社や携帯会社名など)が確認できるもので発行日から3か月以内のものとなります。
家族名義の場合は証明書として利用できません。また、健康保険証も認められていませんので注意しましょう。
居住証明書は名義の問題から提出が難しいという人もいるでしょうが、その場合には住民票で受け付けてもらえます。
マネーロンダリング対策から、居住証明書と身分証明書の提出は必須となります。
ファイルがぼやけていたり、文字がはっきりと確認できない場合には再アップロードを求められます。
なるべく一発で承認されるように注意して提出しましょう。
口座開設・登録方法
STICPAYの口座開設では、必要書類の準備がポイントとなりますので、ここさえしっかりと準備できたら後は簡単です。
STICPAYの公式サイトにアクセスして口座開設の申請に進みます。
必要情報はすべて半角英数で入力します。
- メールアドレス
- 苗字
- 名前
- 生年月日
- パスワード
- パスワードの確認
- 国籍
- 通貨
以上を記入し、確認事項にチェックを入れて、次に自筆でサインし「次へ」をクリックします。
次に、登録申請完了の画面が表示され、上で登録したメールアドレス宛にSMS認証メールが届きますので、指示に従って認証を完了します。
約3分で登録は完了しますので、ここから準備している居住証明書と身分証明書をアップロードします。
STICPAYアカウントにログインし、メニューから「書類」を選択。
口座から「居住証明書」を選択してファイルをアップロードします。
居住証明書が用意出来たら、1~4MBのJPG・PNG・PDFファイルのいずれかで以下の手順でアップロードします。
同様に身分証明書をアップロードします。
身分証明書として利用できるのは有効期限内の運転免許証・パスポート・マイナンバーカード・住基カードとなります。
身分証明書に関しても居住証明書と同じ手順でアップロードします。
必要書類のアップロードが済んだら、1~2営業日(土日除く)で確認作業が行われ不備等の問題なければ承認されます。
書類のステータスは「書類」→「アカウント」で確認できます。
入金方法
無事に口座開設出来たら、入金方法まで確認しておきましょう。
日本から入金できるのは表にある5つの方法で、マイページにログインし「入金」を選択、入金方法を選んで手続きを行います。
手数料がかかりますが、STICPAYの入金方法は以下の表に記載してあります。
クレジットカードはVISAとマスターカードに対応しています。仮想通貨はビットコイン、テザー、ライトコインが利用できます。
入金手数料 | 反映時間 | |
国内銀行送金 | 2% | 半日以内(営業日) |
海外銀行送金 | 1% | 3~5営業日 |
クレジットカード | 3.85% | 5分以内 |
UnionPay | 5% | 即時 |
仮想通貨 | 1% | 2~3時間 |
出金方法
最後に出金方法について確認しておきましょう。実際に海外FXの利益分を引き出すなど、STICPAYが活躍するのはこの部分となります。
出金方法についても以下にまとめました。
出金も入金と同じくマイページにログインし「出金」から出金方法を選択します。
出金手数料 | 反映時間 | |
国内銀行送金 | 800円+2% | 1~2営業日 |
海外銀行送金 | 5% | 3~5営業日 |
仮想通貨 | 3%(ビットコインのみɃ 0.00077000 + 3%) | 通常は24時間以内 |
まとめ
STICPAYは英国「FCA」の金融ライセンスを取得した非常に安全かつ信頼性の高い優れたオンライン国際決済サービスを提供しています。
世界中で多くの人達が利用しているという事実はそのことを物語っています。
ただし、日本人にとっては、STICPAYと同等以上の送金サービスが利用できるため、STICPAYの利用者は限定されるでしょう。
また、XMやAXIORYなど有名海外FX業者ではすでにSTICPAYが新規で利用できません。
さらにSTICPAYカードの新規発行・更新が停止しているのも日本人にとってはマイナスポイントです。
入金、出金の際の手数料や反映時間を考慮した場合、STICPAYを利用すべきか考えましょう。
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